不しあわせの黄色い贈り物 ― 2012年04月04日 22:59:06
『これは不幸な贈り物です。これを受け取った方は、品物を自由にして下さって結構です。代わりに、あなたの所有する不幸な品々を送っていただければ幸いです』
同封の手紙にはそう書いてあった。送り主は、世界不幸贈答品協会とある。俺は、首を傾げながら、黄色い包装の箱を開けた。中身は素麺だった。賞味期限は切れていない。俺はありがたくその素麺をいただいた。貧乏な一人暮らしの男にはありがたいことこの上ない。素麺をすすりながら、思った。不幸な贈り物…素麺は、不幸なものなんだろうか?素麺はお中元などに多く送られる商品だ。確かに夏場はいい。だが、食べきれなくて残ってしまったら、冬場まで食べようと思うものではない。そう考えれば、こいつは確かに不幸かもしれない。そんなうちに幾度となく、黄色い箱が届いた。石鹸だったり、タオルだったり、やはりお中元・お歳暮関係が多いようだった。時には、ビールやお酒などもある。おそらく、飲めない人への贈り物だったに違いない。俺は、これらのほとんどをありがたく頂戴した。貰ってばかりでは悪いので、こちらからも品物を送った。が、時として戻ってくることがあった。どうやら、品物は未使用品に限るらしい。つまり、不幸な物とは、使用されることもなくただ押入等に眠るだけの可哀相な品物のことらしい。一層様々なものが送られてくるようになり、テレビやパソコン等まで送られてきた。ある日、女の子が訊ねてきた。彼女は、黄色いワンピースを着ていた。まさか、こんなものまで…。さすがに絶句したものの、そこはそれ、俺は彼女を部屋に上げてしまった。と、欲情にかまけてしまった後で俺は大変なことに気づいた。使用したものは、返品できないのである。それ以来、彼女はうちにいる。そして、いつの間にか、彼女は妻となっていた。次第に、黄色い贈り物も来なくなっていった。この頃には、俺も妻もそんなことは忘れ、平凡な生活を送っていた。ある朝、飯を食べながら見ていたニュースを見て愕然とした。
「突然ですが、我が国に向けて核ミサイルが発射されました…」
本当に突然だった。核兵器は凍結されていたはずだ。それが何でいまさらと思った。だが、降り注ぐミサイル群を仰いで、その理由がわかった様な気がした。そう、ミサイルはすべて黄色く塗られていたのだった…。
同封の手紙にはそう書いてあった。送り主は、世界不幸贈答品協会とある。俺は、首を傾げながら、黄色い包装の箱を開けた。中身は素麺だった。賞味期限は切れていない。俺はありがたくその素麺をいただいた。貧乏な一人暮らしの男にはありがたいことこの上ない。素麺をすすりながら、思った。不幸な贈り物…素麺は、不幸なものなんだろうか?素麺はお中元などに多く送られる商品だ。確かに夏場はいい。だが、食べきれなくて残ってしまったら、冬場まで食べようと思うものではない。そう考えれば、こいつは確かに不幸かもしれない。そんなうちに幾度となく、黄色い箱が届いた。石鹸だったり、タオルだったり、やはりお中元・お歳暮関係が多いようだった。時には、ビールやお酒などもある。おそらく、飲めない人への贈り物だったに違いない。俺は、これらのほとんどをありがたく頂戴した。貰ってばかりでは悪いので、こちらからも品物を送った。が、時として戻ってくることがあった。どうやら、品物は未使用品に限るらしい。つまり、不幸な物とは、使用されることもなくただ押入等に眠るだけの可哀相な品物のことらしい。一層様々なものが送られてくるようになり、テレビやパソコン等まで送られてきた。ある日、女の子が訊ねてきた。彼女は、黄色いワンピースを着ていた。まさか、こんなものまで…。さすがに絶句したものの、そこはそれ、俺は彼女を部屋に上げてしまった。と、欲情にかまけてしまった後で俺は大変なことに気づいた。使用したものは、返品できないのである。それ以来、彼女はうちにいる。そして、いつの間にか、彼女は妻となっていた。次第に、黄色い贈り物も来なくなっていった。この頃には、俺も妻もそんなことは忘れ、平凡な生活を送っていた。ある朝、飯を食べながら見ていたニュースを見て愕然とした。
「突然ですが、我が国に向けて核ミサイルが発射されました…」
本当に突然だった。核兵器は凍結されていたはずだ。それが何でいまさらと思った。だが、降り注ぐミサイル群を仰いで、その理由がわかった様な気がした。そう、ミサイルはすべて黄色く塗られていたのだった…。
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