剛健号(仮)2012年10月04日 23:05:19

第1話 剛健号発進す   
登場人物
 隊長
 部下1 車両長
 部下2 砲撃長
 女の子
 チンピラ1
 チンピラ2

【ストーリー】
  [スクラップ置場]夕暮。立入禁止の札。

  [剛健号車内]差し込む光に男達の顔が映しだされている。
隊長 「主電源用意」
部下1「電源入ります」
    周りのモニタ−がつきはじめる。
隊長 「発進準備。ただちに初期設定並びに各部のチェックを開始せよ」
   スイッチをいじくりまわす部下二人。
部下1「システムaからb、h、i、k作動。問題なし」
部下2「火器管制システム問題なし」
部下1「エンジン及び、各駆動部のチェック終了」
部下2「半径30m以内に障害物及び人影なし。
   (あわてて)いや、10時方向に侵入者。数は3です」 
   部下2振り返る。        
部下2「隊長!」
隊長 「このまま待機する。電源は予備に切り替えておけ」
部下1「了解。予備電源に接続」
   レバ−を下げると室内赤くなる。
隊長 「侵入者はどうした」
部下2「目標を9時方向7mで失踪。この状態でこれ以上は無理です」
   レ−ダ−から目を離し振り返って首を振る。
部下1「まずい・・な」
部下2「ここは、立入禁止のはずなのに」
隊長 「事実は事実だ。私が外へ出て確認する。各員、待機を継続せよ」
   部下二人驚く。
部下1「隊長!? しかし・・・」
隊長 「外部からの指示はインカムを使用する。各員、復唱せよ」
両部下「了解。待機を継続します」     

  [スクラップ置場]女の子がチンピラ二人にからまれている。
女の子「やめて下さい。人を呼びますよ」
チンピラ1「こんなところに誰がいるもんか」
チンピラ2「俺たちがいるだろ。さ、俺たちと遊ぼうぜ」
   チンピラ2、女の子に手をかける。
女の子「いやっ。誰かぁっ」
   もみ合う二人。
隊長 「おい。貴様ら。ここで何をしている」
   夕日を背にしてあらわれる隊長。振り向くチンピラ二人。
チンピラ2「誰だ、おまえは?」
チンピラ1「この女の知り合いか。それとも正義の味方の登場かな」
   チンピラ二人笑う。隊長は無言。
隊長 「立入禁止の札が見えなかったのかね」
   チンピラ二人、顔をあわせてニヤッと笑う。
チンピラ1「札ねぇ」
チンピラ2:「(歩みでて)そんなもん、関係ねえなぁ」
   殴りかかるチンピラ。
隊長 「クズが・・・」
   軽く受け流し正拳をたたきこむ隊長。低くうめいて崩れ落ちるチンピラ2。
   驚くチンピラ1と女の子。
隊長 「出撃」
   隊長、小声で、だがハッキリとインカムに言う 
隊長 「貴様らの邪魔をするつもりはなかったが、気が変わった。
    (大声で)貴様ら、ここから生きて帰れると思うな」
   倒れていたチンピラ2、よろよろと立ち上がる。
   気にも止めずインカムで話をしている隊長。

  [車内]部下二人が慌ただしくしている。
部下1「主電源切り替え終了。各システムは順調に作動中」

  [スクラップ置場]
部下1「(インカムを通して)発進準備完了」
   隊長目を閉じ腕を組んで黙っている。  
   チンピラ2怒りを表して隊長に詰め寄る。
チンピラ2「へへ、ぶっ殺してやる」
   ナイフを取り出すチンピラ2。        
女の子「きゃ−っ」
   隊長ちょっと横を見て目を閉じる。そして、目を見開く。
隊長 「エンジン始動。主砲砲撃戦用意」

  [車内]
部下2「エンジン始動。主砲砲撃戦用意」
   車体が振動し、エンジンが吹き上がる。
部下2「傾斜復元。車体起こせ」
部下1「エンジン出力正常。準備よろし」
 
  [スクラップ置場]
隊長 「ようし!剛健号発進!!」

  [車内]
部下1「発進」
  部下1レバ−を引き起こす。

  [スクラップ置場]
   隊長の背後。地響きを起こしスクラップの山から戦車があらわれる。
   チンピラ2ナイフをかざしたまま立ち尽くす。
チンピラ2「う・・あぁ・・・」
   腕を組み立っている隊長。
隊長 「射撃用意」

  [車内]
部下1「機関空転。主砲塔に動力伝達」
部下2「目標を確認。主砲塔左90度回頭」
部下1「索敵完了。誤差修正上下角3度」
部下2「装薬充填。発射準備完了」

  [スクラップ置場]
隊長 「発射」

  [車内]
部下2「発射」
   発射ボタンを押す。

  [スクラップ置場]
  轟音。   
  チンピラ2ボロボロ血だらけになってふっとぶ。
  硝煙の中に立つ隊長。腰を抜かし狂気するチンピラ1。
チンピラ1「へ、へへ。戦車だと・・
    なんで・・なんで軍隊がこんなところにいるんだよぉ」
   チンピラ1半べそをかいている。
隊長 「軍隊? 違うな。これは俺の趣味だ」
   砲塔がチンピラ1に向けられる。
隊長 「さて、君ともおさらばだ」
チンピラ1:うあぁぁぁ
   主砲の轟音。
   空砲。一面煙になる。気を失うチンピラ1。
部下2「(インカムを通して)申し訳ありません。隊長」
隊長 「空砲か。まあいい」
   隊長、女の子の方に振返って。
隊長 「お嬢さん。もう大丈夫だ」
女の子「・・いや、こないで」
   おびえる女の子。
隊長 「ふ・・。嫌われたものだな」
   女の子に背を向け戦車に搭乗する。
隊長 「お嬢さん。もう会うこともないだろう。さらばだ」
   そういって、進行方向を向く。
女の子「(おびえながら)へ、へんたい・・・」
   小刻みに震える隊長の肩。

   夕日をバックに去っていく剛健号。      
   そして、蹂躙されて倒れている女の子。

   (END)

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